コラム

2026.01.16

足が熱い・ほてる原因は血流異常?下肢静脈瘤との関係を解説

足が熱い・ほてる症状に悩んでいませんか?

夕方になると足が熱くなる、夜寝る時に足がほてって眠れない・・・

こうした症状は、単なる疲れや気のせいではないかもしれません。

足の熱さやほてりは、血流の異常が原因となっていることがあります。特に、下肢静脈瘤という病気が隠れている可能性があるのです。下肢静脈瘤は、足の静脈の中にある逆流防止弁が壊れることで血液が下方へ逆流し、血管が膨張・蛇行する病気です。

この記事では、放射線科・IVR(カテーテル治療の専門知識を持つ医師として、足の熱さ・ほてりと血流異常、特に下肢静脈瘤との関係について詳しく解説します。症状の原因から診断方法、治療法まで、患者さまが安心して理解できるようお伝えしていきます。

足が熱い・ほてる症状の主な原因

足の熱さやほてりを引き起こす原因は、いくつか考えられます。

まず、血流の異常が挙げられます。足の静脈に血液がうっ滞すると、静脈圧が高くなり、足が熱く感じることがあります。これは下肢静脈瘤の典型的な症状の一つです。

次に、神経の問題も考えられます。末梢神経障害では、足の感覚が異常になり、熱く感じることがあります。糖尿病などの基礎疾患がある場合に起こりやすい症状です。

また、ホルモンバランスの変化も原因となります。更年期障害では、ホットフラッシュとして足のほてりを感じることがあります。

さらに、日常生活の要因として、長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢、運動不足、冷えなども血流を悪化させ、足の熱さやほてりにつながることがあります。

下肢静脈瘤による足の熱さ・ほてりのメカニズム

下肢静脈瘤では、静脈の逆流防止弁が機能しなくなります。

すると、心臓に戻るはずの血液が足に溜まってしまい、静脈圧が上昇します。この状態が続くと、足の組織に炎症が起こり、熱感やほてりを感じるようになるのです。

特に、夕方から夜にかけて症状が悪化するのが特徴です。日中の立ち仕事や座位により、重力の影響で血液が足に溜まりやすくなるためです。逆に、足を上げて休んだり、ふくらはぎをもんだりすると症状が軽くなる傾向があります。

その他の血流異常による症状

下肢静脈瘤以外にも、血流異常による足の熱さ・ほてりがあります。

深部静脈血栓症では、足の深い部分の静脈に血栓ができ、血流が滞ることで熱感や腫れが生じます。これは急性の症状で、エコノミークラス症候群としても知られています。

また、動脈の病気でも足の熱さを感じることがあります。動脈硬化により血流が悪化すると、組織の酸素不足から炎症が起こり、熱感を伴うことがあるのです。

下肢静脈瘤とは?基本的な理解

下肢静脈瘤は、足の静脈が太くなって瘤状に浮き出て見えるようになった状態です。

体のすみずみに行きわたった血液が心臓に戻る血管を静脈といいます。足の静脈の中の血液が心臓に戻るには、重力に逆らって上昇しなければなりません。歩くことで「ふくらはぎの筋肉」が収縮して静脈の中の血液を押し上げ、途中にある「静脈弁」が下に逆流しないように支えています。

筋肉のポンプ作用が落ちたり、弁の機能が悪くなったりすると、静脈内に血液がたまり、静脈の壁にかかる圧力が高くなります。静脈の壁はそんなに強くはありませんので、伸びたり、曲がったり、膨れたりして静脈瘤となってしまいます。

下肢静脈瘤の主な症状

下肢静脈瘤には、さまざまな症状があります。

軽度のものでは、重苦しい感じ、だるさ、痛み、むくみなどの症状があらわれます。美容上の観点から気にされる方もいらっしゃいます。さらに症状が強くなると、皮膚に変化が生じ、色素沈着(皮膚の色が黒っぽくなる)、皮膚硬結(皮膚が硬くなる)、血栓性静脈炎(静脈の炎症)、皮膚潰瘍(皮膚が崩れえぐれたようになる)まで多くの症状があり、放置すると少しずつ悪化していきます。

静脈瘤には何も症状もないことが多いのですが、太くて長い静脈瘤でも、まったく症状がなかったり、クモの巣状の細い静脈瘤でも、痛みを伴ったりすることがあります。

長く立っていると症状が悪化し、逆に脚を上げたり、ふくらはぎをもんだりすると症状が軽くなる傾向がみられます。静脈内に血液がうっ滞して、静脈が拡張することで症状が悪化し、足を少し上げて休んだり、ふくらはぎをもんだりすることでうっ滞をやわらげると症状が軽くなります。

出典国立循環器病研究センター「下肢静脈瘤」より作成

下肢静脈瘤になりやすい人

下肢静脈瘤は、特定の要因を持つ人に発症しやすい傾向があります。

まず、高齢者で筋力が落ちている方です。ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が弱くなると、静脈圧が高くなりやすくなります。

次に、立ちっぱなしの仕事であまり筋肉を使わない方も要注意です。長時間の立ち仕事は、静脈の壁をもろくしたり、静脈圧を高めたり、弁の機能を障害します。

また、妊娠して腹圧が上がると静脈圧が高くなることがあります。立ち仕事や妊娠などが関係するので、女性の方が2~3倍多いと言われています。

さらに、家族での発症歴がある方もリスクが高くなります。遺伝的な要因が関与していると考えられています。

出典国立循環器病研究センター「下肢静脈瘤」より作成

足の熱さ・ほてりを伴う下肢静脈瘤の診断方法

足の熱さやほてりの原因を特定するには、正確な診断が必要です。

当院では、超音波(エコー)検査による精密診断を行っています。足の静脈は皮膚の下に隠れており、見た目だけでは診断できません。血管診療に精通した医師が超音波検査で「どの血管に逆流があるか」「どの程度進行しているか」を正確に評価します。

超音波検査の重要性

超音波検査では、静脈の太さや血液の逆流の度合いを診断することができます。

下肢静脈瘤の原因がどの部位にあるかを特定することが大切です。静脈瘤になっているところだけを治療しても再発することがあり、超音波検査で静脈瘤が足の付け根(鼠径部)にある静脈(大伏在静脈)か、膝の裏のところにある静脈(小伏在静脈)か、またはそれら以外の静脈(骨盤内や副伏在静脈など)なのかを診断します。

この検査は痛みもなく、短時間で終わります。放射線科・循環器内科の知識を持つ医師が、血流・血管構造・足の機能を総合的に捉えて評価を行います。

出典国立循環器病研究センター「下肢静脈瘤」より作成

その他の検査方法

超音波検査以外にも、いくつかの検査方法があります。

まず、足の観察を行った後、血流の音を検出するドプラ聴診器を使って血流の異常についてチェックします。詳しくは、超音波(エコー)検査で静脈の異常を確認したり、脈波検査で下肢の静脈の働きを測定します。

重症の場合、造影剤を用いた静脈造影や、CT検査、MRI検査などの画像検査が必要となることもあります。ただし、多くの場合は超音波検査で十分な診断が可能です。

出典日本脈管学会「下肢静脈瘤って?」より作成

下肢静脈瘤の治療法~足の熱さ・ほてりを改善するために

下肢静脈瘤の治療は、症状や血管の状態に応じて最適な方法を選択します。

当院では、患者さまの負担を最小限にする日帰り・低侵襲治療を中心に行っています。患者さまの年齢・仕事・生活環境も考慮し、過不足のない最適な治療をご提案いたします。

圧迫療法(弾性ストッキング)

軽度から中等度の症状には、弾性ストッキングによる圧迫療法が有効です。

弾性ストッキングを着用することで、静脈還流が改善され、足の熱さやほてり、むくみなどの症状が軽減されます。治療後の再発予防にも用います。

ただし、弾性ストッキングは静脈瘤そのものを治すものではなく、症状緩和や進行予防に効果があります。正しい着用方法や適切な圧力のストッキングを選ぶことが重要です。

高周波・レーザー治療(血管内焼灼術)

現在の主流となっている治療法です。

カテーテルを使い、静脈内から高周波やレーザーを照射して内側から血管を閉塞する方法です。皮膚を大きく切らず、血管の内側から静脈を閉鎖します。日帰りで可能で、小さな傷で済み、回復も早いのが特徴です。

血管内治療は安全で再発の少ない方法です。当院では、放射線科・循環器内科の専門知識を活かし、血流・血管構造を総合的に評価しながら治療を行います。

血管内塞栓術(グルー治療)

2019年から日本で保険適応となった最新の治療法です。

医療用接着剤を注入して静脈を閉塞します。熱や麻酔液が少なく、術中の痛みも血管内焼灼術と比較し、少なくなっています。術後の弾性ストッキングも不要なケースが多く、術後弾性ストッキングを着用できない方や早期に職場復帰希望される方、術中の負担を少なくしたい方、穿通枝不全(脛にも血管の逆流がある場合など)がある方が最も良い適応です。

硬化療法

硬化剤を注射し、静脈を閉塞させる方法です。

薬剤を注入し、クモの巣状・網目状静脈瘤にも対応します。小さな静脈瘤や術後の残存瘤に用いられます。費用が安価で負担も軽いのが特徴です。

外来で行うことができ、治療時間も短時間で済みます。ただし、太い静脈瘤には適さない場合があります。

生活習慣の改善と再発予防

治療後の再発予防には、生活習慣の改善が欠かせません。

血管の病気には、立ち仕事・冷え・姿勢・運動不足など日常生活の影響が少なくありません。当院では治療後、足の血流を良くする運動、姿勢や歩き方のアドバイス、弾性ストッキングの適切な使い方などを丁寧にお伝えし、再発しにくい足の環境づくりをサポートします。

長時間の立ち仕事や座位を避ける、足を上げて休憩する、マッサージを行うなど日常生活の改善も基本的な治療として重要です。

足の熱さ・ほてりが気になる方へ~早期受診の重要性

足の熱さやほてりは、「歳だから仕方ない」と我慢してしまう方がとても多い症状です。

しかし、専門医のもとで適切に治療すれば、足の軽さが戻る、こむら返りの改善、見た目の悩み解消、むくみの軽減など、生活の快適さが大きく変わります。症状が軽いうちの受診が、治療効果を高めるポイントです。

下肢静脈瘤は進行性の疾患であり、早期診断・治療が重要です。放置すると、皮膚の色素沈着や湿疹、さらには潰瘍といった合併症を引き起こすこともあり、QOL(生活の質)を大きく損なう原因になります。

こんな症状があれば、ぜひご相談ください

以下のような症状がある方は、早めの受診をお勧めします。

  • 足のだるさ・重さ
  • 夕方に悪化するむくみ
  • 夜中のこむら返り
  • 血管がボコボコ浮き出る
  • クモの巣状の細かい血管が気になる
  • 足がかゆい・色が黒ずむ
  • 足が熱い・ほてる感じがする

これらは下肢静脈瘤の典型的なサインです。早期の受診が治療効果を高め、生活の質の改善につながります。

西梅田静脈瘤・痛みのクリニックの特徴

当院は、下肢静脈瘤をはじめとした足の血流・血管のトラブルを専門的に診療するクリニックです。

放射線科・循環器内科を含む血管の専門医が根拠に基づいた治療を提供します。超音波(エコー)による精密診断で血管の逆流と進行度を正確に評価し、日帰り・低侵襲治療を中心に実施しています。

むくみ・しびれ・血管のコリなど足の血流低下に関わる幅広い症状を総合的に診療し、治療後には足の血流を良くする運動、姿勢や歩き方のアドバイス、弾性ストッキングの適切な使い方を指導します。

患者さまの年齢・仕事・生活環境を考慮した最適な治療を提案し、健康な足で過ごせる日常を取り戻すためのサポートをいたします。

まとめ~足の熱さ・ほてりは血流異常のサイン

足の熱さやほてりは、単なる疲れではなく、血流異常のサインかもしれません。

特に、下肢静脈瘤による静脈の逆流や血液のうっ滞が原因となっていることが多くあります。夕方から夜にかけて症状が悪化する、足を上げると楽になる、といった特徴があれば、下肢静脈瘤の可能性が高いと考えられます。

下肢静脈瘤は進行性の疾患であり、放置すると症状が悪化していきます。しかし、早期に適切な診断と治療を受けることで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。

当院では、超音波検査による精密診断と、身体への負担が少ない日帰り・低侵襲治療を中心に行っています。高周波・レーザー治療(血管内焼灼術)、血管内塞栓術(グルー治療)、硬化療法など、患者さまの状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。

足のむくみ・だるさ・血管の浮きなど、「何となく気になる症状」が実は静脈瘤の始まりであることが多くあります。当院では、放射線科・IVR(カテーテル治療もしくは下肢静脈瘤指導医の視点から、血流・血管の状態を丁寧に評価し、身体に負担の少ない治療を行っています。

足の熱さやほてりが気になる方は、ぜひ一度、安心してご相談ください。

健康な足で快適な毎日を過ごすために、早めの受診をお勧めします。

【著者】

西梅田 静脈瘤・痛みのクリニック 院長 小田 晃義

【略歴】

現在は大阪・西梅田にて「西梅田 静脈瘤・痛みのクリニック」の院長を務める。

下肢静脈瘤の日帰りレーザー手術・グルー治療(血管内塞栓術)・カテーテル治療、再発予防指導を得意とし、

患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイド医療を提供している。

早期診断・早期治療”を軸に、「足のだるさ・むくみ・痛み」の原因を根本から改善することを目的とした診療方針を掲げ、静脈瘤だけでなく神経障害性疼痛・慢性腰痛・坐骨神経痛にも対応している。

【所属学会・資格】

日本医学放射線学会読影専門医、認定医

日本IVR学会専門医

日本脈管学会専門医

下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医、実施医

マンモグラフィー読影認定医

本記事は、日々の臨床現場での経験と、医学的根拠に基づいた情報をもとに監修・執筆しています。

インターネットには誤解を招く情報も多くありますが、当院では医学的エビデンスに基づいた正確で信頼性のある情報提供を重視しています。

特に下肢静脈瘤や慢性疼痛は、自己判断では悪化を招くケースも多いため、正しい知識を広く伝えることを使命と考えています。