首のこり・頚部痛

首の疲労感や頭痛をまねく「首のこり」とはどういう状態?

首の疲労感や頭痛をまねく首のこりとはどういう状態?首のこりとは、首の後ろにある筋肉が過度に緊張することで生じる不快感(硬さ、疲労感、重い感じ等)です。
肩こりとともに、「疾患」として捉えられにくく、湿布などで対応している方も少なくありません。しかし、原因をはっきりとさせて治療をすれば、改善が可能です。
首のこりや痛みでお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。

首のこりからくる症状について

首のこりからくる症状についてうなじ・首の付け根・後頭部などで、さまざまな不快感が生じます。ここで言う不快感とは、痛み、硬さや疲労感、重い感じ、虫が這うような感覚などです。首を回しづらく、首だけで後ろを振り向くということが難しくなります。
また首だけでなく、頭痛や吐き気、頭重感、めまい、手足のしびれ、筋力低下、感覚低下などの全身の症状を伴うケースも少なくありません。

ストレスや仕事も関係する首のこりの原因について

外傷

交通事故でよく見られるむちうちなどの外傷です。頚椎付近を損傷することで、そのまわりの筋肉が緊張してしまい、首のこりを発症します。

ホルモンバランスの変化

妊娠や出産、更年期など、ホルモンバランスの変化が影響して筋肉が緊張してしまうことがあります。特に40~50代での更年期に首のこりを発症する方が目立ちます。

頭の負荷

ヒトの頭部は3~4㎏あります。普段意識はしませんが、常に首には負荷がかかっています。特に姿勢の良くない人などは、異常な負荷によって首のこりが発生しやすくなります。

デスクワーク

デスクワーク中、正しい姿勢を維持できなかったり、休憩が少なかったりすると、首に不正な力がかかり、こりの原因となります。ゲームなどで長時間パソコンの前で座っている人も同様のリスクがあります。

眼精疲労

パソコン、スマホ、テレビなどの長時間・連続視聴は、眼のピントを合わせる筋肉を緊張させ、眼精疲労を招きます。度の合っていない眼鏡・コンタクトレンズを使用している方も同様です。
眼の筋肉の緊張が、首のこりを引き起こします。

運動不足

運動には、筋力を増強するとともに、筋肉をリラックスさせる効果があります。運動不足ではこれらの効果が得られないばかりか、血行不良なども重なり、筋肉が緊張しやすくなります。

過度のストレス

一定のストレスは心身に良い影響を与えますが、疲れが抜けない、イライラが募るなど、過度の肉体的・精神的ストレスは、筋肉の緊張を招きます。

自律神経の乱れ

不規則な生活リズム、睡眠不足、ストレスなどによって自律神経が乱れると、筋肉がリラックスできず、緊張した状態が続きます。

病院に行くべき?首のこりの治し方

病院に行くべき?首のこりの治し方一晩寝て良くなった首のこり、日に日に軽快していく首のこりであれば、そのまま様子を見ても構いません。
しかし、上記を除く首のこりについては、お早目の医療機関の受診をおすすめします。セルフケア指導や姿勢の見直し、薬物療法、ハイドロリリース、プロロセラフィー、リハビリテーションなどにより改善を図ります。

日常生活でできるセルフケア

マッサージ

マッサージ

  1. 背骨と後頭部下部の境目にあるくぼみに親指を当てます。
  2. 親指をその位置に置いたまま、他の指で頭を包むようにします。他の指の位置は任意です。頭を固定しやすい位置を探してください。
  3. 親指を中心に、すべての指で、気持ちいいくらいの力を約20秒かけます。揉むのではなく、じんわりと押すようにしてください。

ストレッチ

ストレッチ

  1. ①椅子に座ります。
    ②両手で、反対側の二の腕を掴むようにします。
    ③みぞおちを背中側へと引っ込めるようにして、背中を丸めます。
    ④今度は逆に、みぞおちを前方へと突き出すようにして、背中を伸ばし反らします。
    ⑤「③」と「④」を繰り返します。
  2. 「③」と「④」を繰り返します。

デスクワークの姿勢について

モニターは目線より下であるか

デスクワークの際、パソコンモニターが目線より少しだけ低くなるように調節しましょう。モニターと目との距離は40センチ以上を維持します。

※スマホやタブレットを使用する時には、逆にうつむき過ぎないように注意します。

キーボードを操作する時の肘の角度が90~100°になっているか

キーボードを操作する時には、肘の角度が90~100°になるのが理想です。
デスクの高さ調節が難しい時には、椅子の高さを調節しましょう。

座ると膝が90度に曲がっているか

座る時、膝は90°に曲げ、しっかりと床に足の裏がつくようにしましょう。

頚部痛(首の痛み)

頚部痛(首の痛み)首の痛みは、「筋肉・関節からくる痛み」と、「神経からくる痛み」に分けられます。
前者は、筋肉のこりや血流の低下、関節の可動域の狭さなどを原因として痛みます。

後者は、頚椎椎間板ヘルニアをはじめとする疾患を原因として起こる痛みです。しばしば、痛みだけでなく腕や手のしびれ、細かな作業ができないといった神経症状を伴います。

頚部痛が原因となる疾患と治療法

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニア首の痛みや腕・手のしびれなどの症状が見られます。
多くは、保存的治療の適応となります。

頚椎症

頚椎症頚椎は、誰でも30歳くらいから加齢的な変性が生じます。
ある程度進行すると、頚椎症を発症し、首の痛み、腕・手のしびれや痛みなどの症状を呈します。
脊髄症へと進行した場合には、手術が必要になることもあります。

靱帯骨化症

はっきりとした原因は分かっていませんが、中年以降の男性に好発します。
骨化が徐々に進むため、気づかずに放置してしまうケースも少なくありません。

腫瘍性疾患

脊髄に発生した腫瘍により、首の痛みなどの症状をきたします。
稀な疾患であり、レントゲン検査などで偶然発見されることが多くなります。悪性腫瘍の既往がある場合には、精密検査が必要です。

炎症性疾患

炎症性疾患関節リウマチ、化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎などの炎症性疾患による首の痛みです。
関節リウマチは、上位脊椎の障害の頻度が高くなります。化膿性脊椎炎,結核性脊椎炎については、発見が遅れると重度の神経障害が生じたり、命にかかわる事態に陥ることもあります。

外傷性疾患

交通事故、高所からの転倒など、高エネルギーの外傷によって起こる首の痛みです。しばしば、神経症状を伴います。

どんな時に病院に行くべき?

一晩ゆっくり休んで治った首の痛み、日に日に軽快するような首の痛みであれば、それほど心配する必要はありません。しかし、以下のようなケースでは、何らかの疾患が原因になっている可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。

  • 手や腕、背中などにしびれ、痛みがある
  • 手や腕に力が入りにくい、よく物を落とす
  • 発熱している
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