テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

肘の外側が痛む「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」とは

肘の外側が痛む「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」とは「テニス肘(上腕骨外側上顆炎」とは、手首に繰り返しの負担をかけることで、肘の外側から前腕にかけての痛みが生じるスポーツ障害です。
趣味としてテニスをする方によく発症するため、テニス肘と呼ばれています。
進行すると、物を持てないほど痛みが強くなるケースも見られます。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の症状と放置するリスク

初期症状

  • 肘の外側の痛み
  • 物を持つ、タオルを絞る時の肘の痛み
  • 安静時には痛みが出ない

主となるのは、「肘の外側の痛み」です。初期であれば通常、安静時には痛みはありません。

重症化するとどうなる?

適切な治療をせずに重症化すると、コップを持ち上げることも難しくなるなど、日常生活に多大な影響を及ぼします。また、安静時にも痛みが続きます。

テニスだけではない?テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の原因

スポーツ

スポーツテニス、バドミントン、ゴルフ、卓球などのスポーツをする方によく発症します。これらのスポーツのスイング時の負担が積み重なることで、発症に至ります。

職業

重い荷物の上げ下ろしをする仕事、大工仕事などに従事する方、長時間フライパンを振る料理人の方などの発症が目立ちます。

加齢や性別

若い方の発症はあまり多くなく、30~60代のテニス愛好家の方の発症が目立ちます。また女性の発症率は男性の約3倍となっています。

スマホ肘とも呼ばれる理由

テニス肘を、最近では「スマホ肘」とも呼ぶそうです。これは、長時間にわたって肘に負担のかかる姿勢でスマートフォンを操作する・動画視聴することを原因として発症する人が増えているためです。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の検査・診断

レントゲン検査

レントゲン検査問診、触診の上、レントゲン検査を行います。テニス肘は通常骨の異常を伴いませんが、他の疾患との鑑別のためにレントゲン検査が必要になります。骨棘の発見にも役立ちます。

Thomsenテスト

肘を真っすぐにして、手首を反らした状態から、医師が逆方向に力を加えた場合の痛みの出方を調べます。

Chairテスト

椅子を持ち上げた際の、肘の痛みの出方を調べます。

中指伸展テスト

医師が中指を押し、患者様はそれに反発するように力を入れます。そのときの痛みの出方を調べます。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の治療法

保存療法

どれぐらいで治る?安静期間は

テニス肘は、ほとんどのケースで半年以内の完治が見込めます。
急性期はしっかりと安静を保ってください。

サポーターやテーピング

サポーターやテーピングサポーターやテーピングを用いて、肘の安静を保ちます。

痛み止め薬(内服薬、湿布)

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服、外用により、痛みの軽減を図ります。ただし、胃腸への影響を考え、非ステロイド性消炎鎮痛剤は期間を決めて限定的に使用します。

ステロイド注射

ステロイド注射は即効性がありますが、長期的には腱に負担がかかるため当院では行いません。

ストレッチなどのリハビリテーション

痛みが取れれば、ストレッチ、温熱療法などによるリハビリテーションを行います。

動注治療

炎症により異常な新生血管が生じている場合には、動注治療を行います。
動脈に細い針を刺して、そこから新生血管に蓋をして(塞栓)、炎症・痛みの軽減を図ります。

詳しくはこちら

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
痛みの原因となっている腱の付着部分を切り離す「関節鏡視下滑膜切除術」、骨棘を取り除く「骨棘切除術」などがあります。

自分でできるセルフケア

ストレッチ

ストレッチ腕、手にかけてしっかりとストレッチを行いましょう。
壁に手をついたり、手を反対側の手で持ったりして、肘をピンと伸ばすストレッチが簡単で有効です。腕の内側と肘の伸びを意識しながら、30秒静止します。少し休んで、何度か繰り返します。

トレーニング

軽く持ち上げられる程度の重さのダンベルを使い、手首まわり、肘まわりの筋肉を鍛えます。トレーニング用のチューブでも代用できます。
ただし、痛みがある時は避けてください。

サポーターやテーピング

スポーツをするとき、あるいは普段から、サポーターやテーピングを使用します。
ただし、痛みがある場合には、たとえサポーター・テーピングを使用するとしても、運動はお控えください。

アイシングや温め

急性期の痛みに対しては、アイシングが有効です。
一方で慢性期のアイシングは逆効果となります。お風呂で温めるなどすると、痛みが和らぎます。

肘の内側が痛む「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」とは

肘の内側が痛む「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」とはゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは、肘の内側の「内側上顆」の筋肉・腱に炎症が起こっている状態です。ゴルフスイングをした時に痛みが出ることから、この名前がついています。
ゴルフ選手、テニス選手に好発しますが、仕事や家事などスポーツ以外における特定の動作の繰り返しを原因とするケースも少なくありません。

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の症状と放置するリスク

初期症状

  • 肘の内側の痛み
  • 手首を回す時の肘の痛み
  • 薬指、小指のしびれ

主となるのは、肘の内側の痛みです。強く手を握る時に、特に痛みが出やすくなります。

重症化するとどうなる?

適切な治療をせずに重症化すると、安静時にも痛みが出るようになります。

ゴルフをしていないのになぜ?ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の原因

ゴルフをしていないのになぜ?ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の原因ゴルフ肘の原因は、手首を内側に曲げる、物を強く握る動作の繰り返しです。内側上顆の筋肉や腱で炎症が起こり、肘の内側に痛みをきたします。

どんな人が発症しやすい?

  • 中高年の方
  • ゴルフ、テニス愛好家(特にビギナー)
  • タオルを絞るなどの手首を内側に曲げる動作の多い肩
  • 重い物を持つ、引っ張ることの多い肩
  • パソコン作業をする時間の長い方

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の検査・診断

問診、触診の上、レントゲン検査を行い、診断します。触診では、手首を内側に曲げたときの痛みの出方を調べます。
レントゲン検査では、骨棘の有無も分かります。

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の治療法

保存療法

サポーターやテーピング

サポーターやテーピングを使用し、患部の安静を保ちます。

痛み止め薬(内服薬、湿布)

痛み止め薬(内服薬、湿布)非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服、外用を行い、痛みを和らげます。胃腸への影響を考慮し、非ステロイド性消炎鎮痛剤は期間を決めて限定的に使用します。

ステロイド注射

ステロイド注射は即効性がありますが、長期的には腱に負担がかかるため当院では行いません。

ストレッチなどのリハビリテーション

痛みを軽減した上で、ストレッチや温熱療法などによるリハビリテーションを行います。

動注治療

炎症により異常な新生血管が生じている場合には、動注治療が有効です。
動脈に細い針を刺して、そこから薬液を注入するこで、新生血管に蓋をして(塞栓)、炎症・痛みの軽減を図ります。

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手術療法

痛みの原因である腱の付着部分を切り離す「関節鏡視下滑膜切除術」、骨棘を取り除く「骨棘切除術」などの手術を行うこともあります。

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